往年のジョニーライデン専用ゲルググをHGUC版でブラッシュアップ!
MS-14B 高機動型ゲルググ(ジョニー・ライデン少佐専用機)
ゲルググは一年戦争末期に実戦配備された、ジオン軍の新型量産機である。ジオニック社、ツィマッド社、MIP社が協力開発した経緯からも、まさにジオンが総力を結集した傑作機といえよう。もとより様々なオプションパーツに対応可能な汎用性を内包しており、ノーマル機が配備されるとほぼ同時に、様々なバリエーション機が存在した。ジオン軍のエースパイロット、ジョニー・ライデン少佐の駆ったゲルググは、背部に高機動パックを装備し、その機動力はノーマル機の1.3倍に相当したといわれている。このライデン機は、ア・バオア・クー戦を最期に消息不明となり、彼の属したキマイラ隊の詳細とともに戦史家たちに多くの謎をのこしている。
現在、ガンプラ45周年を祝うガンプラエキシビションに向けて、展示予定のジオラマ作品を製作中です。
このジョニー・ライデン専用ゲルググは、その合間に製作しました。
ジョニー・ライデン機は わたしの愛するMSVを代表する機体ですが、実は製作をしたのは今回が初めてでした。
というのも、わたしには「特定の誰かが乗ったモノ」は 妄想を妨げられて いまいち気分がノらない、という面倒くさい性があるからです。
さらに面倒くさいことに、それでも、ライデン機は機体設定からバンダイ側の裏話まで山盛りで、いつか作ろう、作ろうという気持ちもあったんです。
今回、たまたまプレミアムバンダイからのメルマガで「ジョニー・ライデン専用ゲルググの再販」の報せが届きまして、いまだに ガンプラの品薄が続いているフラストレーションも 溜まっていたこともあり、思い切って購入した、という次第でした。
※今回の製作は、コクピット以外は別サイトの改造記事を参考にしています。他のモデラ―さんのやり方を模倣すると、大変勉強になりますよねっ!
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正面から。
今回から、撮影スマホが変わりました。
性能が上がって ちょっと嬉しい。
今回使用したデカールは、キット付属のシールのほか、ガンダムデカール、そして旧キットの1/144高機動型ザクに付属していた、ライデン機のユニコーンの紋章です。
黄色く塗ったラベルシールを小間切れにして、いわゆる「チップ」として機体各部に貼ってみました。
アクセントとなって ほどよく情報量が増えた気がします。
このジョニー・ライデン専用ゲルググでは、スジボリの習作も兼ねています。
ウグのときからスジボリが楽しくなってきたのですが、まだまだ線が粗いです。
ゲルググといえば、このバックショットです。
何基ものスラスターが同一方向に向かっている姿は、高推力の権化といっていいでしょう。
バーニアの外側はシルバー、内部はゴールドに塗ってみました。
ちなみに、足のフレア内に収まる三連バーニアの肉抜き穴には、切り取ったランナーを詰めてみました。
このまま強引に銀塗装すると、モールド化してくれます。
ノーマルゲルググにしてみました。
実は、MSVブームの立役者、ストリームベースの小田雅弘さんの著作<ガンダムデイズ>によると、本来のライデン機の赤は、真紅といっておきながら、当時のスーパーカーブームに乗ってリリースされたばかりの シャインレッド、つまり朱色に近い赤なんだとか(だから、MS-06R-2の設定画はオレンジが混ざっている)。
しかも、ジョニー・ライデン自らが「赤くしてくれ」と頼んだわけではなく、彼を慕う整備兵たちが、第二次世界大戦のエースにあやかって赤く染めた、という設定だったそうです。
そのほか、「ゲルググは推進器がスカートと足のフレアに収まるように設計され、背中がスッキリしているからいいのだ」という意見もあり、わたしも思わず膝を叩いてしまいました。
普通に考えれば、背中にゴテゴテと背負ってしまったら、荷物になって戦えないですよ。
リュックサックを背負って戦うようなものです。
その点、「背中はウェポンラックのみ。それにも関わらず推進力は十分担保」というゲルググの設計思想は画期的といっていいでしょう。
なのに、あえてB型装備なるものを許容して、「背負いものゲルググ」をMSVに組み込んだ経緯とは、ひとことで言えば「MSVを名目に、旧1/144ゲルググのリバイバルキットを出したい」という小田さんの目論見にあったそうです。
一流モデラ―の草刈健一氏が 頭部の原型を製作し(しかも、なんと前後分割)、ジャバラの引き出し機構まで再現した1/144ジョニー・ライデン専用ゲルググは、ある面では後年のHGUCにも劣らない傑作キットとなったのです(設定画よりも模型製作の方が先行した、という信じられない逸話まであります)。
さて、ハナシが脇道に逸れました。
コクピット開閉機構をつけてみました。
丸型のコクピットハッチに付着する、ランナーゲートをあえて切り取らず、さらにプラの削りカスでゲートを太らせたのです。
マイナスドライバーで ヒンジのスペースを設けたあと、とくに軸などは通さずにプラ同士の摩擦で開閉するようにしました。このへんの方法は、旧キットの陸戦型ジムと同じですね。
ところが、すでにお気づきの方も多いでしょうが、わたしは ひとつの大きな間違いを犯してしまいました。
ハッチのヒンジ部位が、左右逆だったのです。
空けたヒンジを埋めて修正しようとも思ったのですが、ふと「ゲルググの正しいコクピット開閉」をネット検索したところ、衝撃の事実が判明しました。
ゲルググのハッチ開閉機構には、一定の見解がない
のです。
第一作目の初代ガンダムでは、劇中でシャアがコクピットを空ける場面が描かれています。テキサスコロニーのときですね。
ところが、その後のイグルーやZZガンダムでは、ハッチが下向きに開いたり、コンビニの自動ドアのようにスライド式になっていたりしています。
マスターグレード版ゲルググに至っては、腹部正面の四角い面が丸ごと開く仕様に。
なら、わたしの間違いなんて大したことないじゃん
と、開き直ることにしました。
ロケット砲の存在感が、いかにもライデン機って感じですね。
細かい改造ポイントは他サイト様の記事を流用しかねないので、あえて詳細は割愛しますが、
●胸部の延長工作でコクピット上部が隠れなくなった
●肩関節の幅詰め
●太ももパーツにある、股関節とのポールジョイントの位置を変更
などを行っています。
いずれも小さな手間で大きな効果が得られる改造でした。大掛かりな改造が偉いわけではないんですね。
むしろ、無駄に切り刻まずに最小限、かつ誰でもできる方法を編み出す方が、よっぽど素晴らしいと思います。
肩側面のモールドは、市販のアップグレードパーツを貼ってスラスターにしようと思いましたが、スジボリの練習のためにシャッター風にしました。
キットのモノアイ部分は、モノアイパーツをはめ込む凸部分を薄く削って、ほどよくモノアイパーツが回るように微調整しました。
カメラ部分は、ピンバイスでクレーター状に彫ったあと、ピンクに塗り、最後に100均のUVレジンを垂らして透明パーツ化させました。
モノアイ部分が出っ張らないようにしたおかげで、目じりの部分と干渉せずに済みます。
やっぱり、ゲルググは「睨み」が痺れるほどカッコイイ機体ですから、モノアイには気を遣いたいですね。
というわけで、今回はHGUC版ジョニー・ライデン専用ゲルググをお届けしました。
サイトのメンテナンスに手間取ったこともあって 更新が遅滞してしまいましたが、久しぶりにアップできてよかったです。