ガンプラ45周年ジオラマ-ホネの髄まで-1/144フルカラーモデルのグフ使用【製作4】
胴体部にさまざまなギミックをしこむ作戦の一環で、腰の股関節は引き出す機構にしました(くわしくは前回記事を参照)。
今回は胸部機構に移りたいと思いますが、その前にコチラをば。
ごらんください、この肩関節。
胸部と接続する部分が、単純なプラ棒ではないのです。
肩をスイングさせたときの可動域を、少しでも改善させるために 凹みが設けられています。
こうした部分に、設計者の苦労と工夫がしのばれるのです。
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平成後期や令和のガンプラに慣れたユーザー視点では、
「スパイクアーマーを別パーツに設計すればいいじゃん」
と お思いかもしれません。
ですが、それではダメなのです。
ついつい、「当時は原始時代だから スパイクアーマーを別パーツにする、という発想を思いつくことができなかった」のだと、発明前夜のように思われがちですが、それもちがいます。
別パーツにすると むやみにパーツ数が増え、値段が上がってしまうから ダメなのです。
いまのように、関節機構のためにパーツ数を過度に増やしすぎるわけには いかなかったのです。
当然ながら、キットの状態で色分けと合わせ目にまで配慮するなんて、ゼイタクの極みです。
ましてや、「パーツを入れ替えただけで改造」と呼んでいたのは 小学生以下の小児くらいでした。
この一パーツを眺めるだけで ガンプラの歩みに しみじみと耽ってしまいます。
こういう部分を残したいな、と思いつつも、展示作品である以上は エキシビションの客層を意識しなければなりません。
悩みぬいたあげく、肩関節は 普通にポリキャップ化加工する方針にしました。
展示作品やコンテストは、インパクト勝負の部分が大きいのです。
海原雄山のように あえて何も手を加えないトマトを出したところで、現実ではドレッシングでジャブジャブのサラダに勝てないケースがよくあるのです(笑)
さて、コチラの写真は 胸部の内部機構も見て取れる一枚かと。
製作過程上、前後してしまいますが、肩の接続パーツは ランナーのL型になった部分を利用しました。
旧キットのグフの プロポーションの欠点のひとつとして、肩の位置が 下がり過ぎている点が挙げられます。
これは設定画でも、劇中の印象からも指摘を受ける改修ポイントで、旧キットの肩の位置を挙げるだけで、ガラリと印象が変わって見えます。
プロモデラーの作例でも ほぼ全例で肩の位置が挙げられていますから、お手元の作例集でご確認を。
なお、切り取った旧肩関節のドレーム状パーツは、
ごらんのとおり、頭部の内部にしこみ、モノアイ機構にリサイクルしました。
次回につづく。