ダンバイン40th記念 HGサーバインを改修 ーその3ー新MAX塗りからの波紋塗り
この記事は、HGサーバイン製作ーその2ーからの続きになります。
今回、レインボー塗装(新MAX塗り)で下地を塗ってみました。
レインボー塗装については、サラミスやG3ガンダム/高機動型ガンダムのページもご参照ください。
ランダムにガンダムマーカーで 青、赤、黄色の点々をつけまくります。
とはいえ、一応 多少の陰影をつけたいので、
●凹み部分やヘリの部分 → 寒色系
●光のあたる凸部分 → 暖色系
が主体になるように意識しました。
で、このままだとガンダムマーカーの色味が強すぎるので、エタノールで少し拭います。
拭うというか、エタノールを染みらせた綿棒をポンポンと当てていく感じです。
簡単フィニッシュ法の要領ですね。
でも、塗料を完全にはふき取りません。
こんな感じになるようにしました。
これを全身に対して行います。
大阪のヒョウガラヤンみたい。
ここまでやって、ひと休憩。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
さて、ここからベース色を塗っていくわけですが、ひとつ試したことがあります。
結果的には あまり効果がなかったんですが、今回は「古のマシン」なので、ひび割れなんかも 表現しようと思っていました。
そこで、装甲の先っちょの部分がひび割れるように、クラック塗装を施すことにしました。
のりを塗って、生乾きのうちにベース色を塗ります。
そうすれば、乾く過程で のりが凝縮して、ひび割れが起こるはずです。
なお、ベース色はおなじみの100均のアクリル塗料で調合。
赤、白、青です。
サーバインって、うっすらとムラサキがかった色をしているようにみえます。
すごく不思議な色ですよね。白でも正解ですが、ピンクのようにも、水色のようにも見えます。
わたしが色弱持ちだからかもしれませんけど。
とりあえず、ランナーで何度か試し塗りをした結果、やや青みを強めることにしました。
こちらが、オーラコンバータに2回ほど重ね塗りをした結果です。
まだレインボーの下地が目立ちますが、ムラを逆手にとった手法が、オーラバトラーには よく似合いそうです。
一方、こういうところはガンダムマーカーで。
バーントアイアンを試してみました。
色プラのゴールドとの相性はバツグンで、「重厚な金」になりました。
さて、次に「波紋塗り」(←勝手に命名)です。
この塗装法は、偶然の産物でした。
そもそも、サーバインの盾を大理石塗りしようと思ったのがキッカケでした。
よく使われる手法で、まずは こういうペーパーでパーツを覆って、エアブラシをかけたわけですが。。。
ごらんのとおり、わたしが持っているのは、ガンダムマーカーエアブラシです。
簡易型の。
ホンモノのエアブラシなんて触ったこともありません。
で、こうなったわけですが、ペーパーを開けると、ちょっとイマイチな出来栄え。。。
「これはこれで」
と思ってしまってもいいんですが、今回のサーバインは 異常なほど熱が入ってしまって、妥協を許さなかったんですね。
そこで、やり直すために、綿棒にアルコールをひたして拭ったんです。
その拭う過程で、こんな現象が。
おわかりでしょうか?
ビショビショにした綿棒をトンっとつけたら、アルコールが波紋をひろげるんです。
表面張力がないんですね。
この波紋で塗料までが独特の紋様を描いたのでした。
トントンッ、ジワーリ。
波紋の広がり方はランダムですが、何度もやるうちに、なんとなく「綿棒にひたすアルコールの量」で、波紋の大きさを調節できるのが わかりました。
これ、わたしが知らないだけで、もしかしたらスケールモデル界なんかで既知の手法なのかもしれませんね。そういうハナシって、すごくあるじゃないですか。
だんだん慣れて来たので、こんな風にも。
まず、テキトーにガンダムマーカーをひきます。
で、びっしょりぐっしょりの アルコール綿棒でトントン。
すると、
アルコールが足りなくなったり、同じ綿棒を使いまわしすぎると、「いわさきちひろ氏の作品を真似しようとして撃沈した感じ」になります。
この塗装法、勝手に「波紋塗り」と名付けましたが、今回のようにプラ自体の色あっての手法となり、限定的になると思いますから、もう少し研究してみようと思います。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
さて、胸部装甲は少しグレー度を増しておきます。
元々のキットの色味が すごく上品だったので、塗装しないつもりだったんですけどね。
この写真では、まだレインボーが丸見えですね。さらに重ね塗りを繰り返します。
ちなみに、アクリル塗料を重ねることで、鋳造表現が埋められる場合は、塗料が生乾きのときにハブラシで叩きました。
で、中間の状態を確認。
コクピットです。
コクピット内部や周辺に、宝玉を埋めこみました。
フェラリオの加護を示す、魔力の込められた宝玉という厨二設定です。
OVA版はハイファンタジーに軸をおいているので、そういうのもアリかと。
この「宝玉」は、もちろん100均グッズ。
男性がこういうのを買うとき、わざとらしく店内でLINEを開いて 頼まれたフリをしてみせないとやってられません。
でも、そういう姑息な照れ隠しって、女性には得てしてバレバレなんですよね。。。
さて、本題に戻ります。
羽根のスジも塗りました。
アクリルなんで、はみ出たところは ツマヨウジで剥がれてくれましたよ。
正面から。
これで完成にしようかな、とも思ったんですが。。。
なにかが足りないんです。
いえ、爪のことじゃないんです。
ううーんと、睨みながら、あっと思いました。
「注意書き」です。
ガンプラの場合は、デカールでデコレーションしますよね。でも、オーラバトラーでそういう作例を見たことがありません。
「CAUTION」とか、おかしいですしね。
ただ、文字が書かれたオーラバトラーって、どこかでイラストを見た気がするんです。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
で、結論を言いますと、「グレートメカニック2(2001年6月16日発売号)」に掲載された、「魔界転生」ばりに呪文がびっしりと書き込まれた ビルバインのイラストだったんです。
版権のため、そのイラストを載せられませんが、衝撃のカッコ良さと斬新さで、わたしの脳裏に焼きついていたんですね。
そこで、バイストン・ウェルの文字で、「フェラリオたちの呪文/お経」を刻むことにしました。
じゃあ、バイストン文字って?
これが問題でした。全然資料がありません。
で、見つけたのが、TV総集編三部作のタイトル画面でした。
やはり版権で その画面を載せるのは控えますが、バイストン・ウェルの世界地図をバックに、「鳳麟の章」とかってタイトルが浮かび上がるわけです。
その世界地図に、唯一といっていい、バイストン・ウェルの文字が書かれていました。
それが、コレ。
(こんな下手な写しなら、たぶん問題ないのではないかと。)
おそらく、世界地図のタイトル文字は、「バイストン・ウェル」を意味するんだと思います。
陸に刻まれた文字は、大陸の名前か国の名前か わかりませんが、陸続きに他にも文字が あちこちありましたから、地名、もしくは国名であろうと思います。
プレイステーションの「聖戦士伝説」があれば、もっと詳しい調査ができそうなんですが。
ここまでの情報から 推測できるのは、バイストン・ウェル文字は、「発音と文字数が合致しない」ってことです。
つまり、英語と同じですね。
日本語なんかは、一つの文字に一つの発音ですけど、英語だと「wo」の二文字で「ウォ」という一つの発音ですよね。
文法構成まではさすがにわかりませんが、オーラバトラーに加護の呪文を刻むにあたって、
「文字数以上に、念を込めた」
という意味合いにすることはできそうです。
とはいえ、あの文字だけではとても足りません。
なので、梵天文字や、ルーン文字、神代文字も引用しつつ、アルファベットとの引用表も用いることにしました。
(バイストン・ウェルには、地上世界から文化が もたらされている形跡があるので、この手の古代文字もアリかと。)
サーバインの写真を印刷して、ホントに文字なんか描きこんで変じゃないかをイメージング。
まあ、アリかな。
写真左下の文字は「サーバイン」です。ヒマな方は、後に続く文字を解読してみてください。
まさか、プラモを作るために 古代文字を勉強することになるとは思いもしていませんでした。
これもオーラ力によるものでしょうか。
と、いうわけで書きこんでいきます。
このボールペン、極細の0.28ミリメートルのものですが、2023年時点では0.18ミリのペンもあるそうな。
油断すると、文字がつぶれて台無しに。。。
これは、失敗した青文字を消したところ、下に塗ったベース色まで落ちてしまい、レインボー下地からやり直したところです。
脚部にまっすぐに呪文を書きこむため、ガイドとしてマスキングテープを貼ります。
で、こんな感じになりました。
少しだけモーターヘッドを意識。永野先生がオーラマシンをデザインされたことがあるのも、どこかデザインラインに感じる部分があったからなんでしょうか。
だいたい、一文字1-2ミリメートルくらいです。
あまり書き込みすぎると 平家物語になってしまいますから、ほどほどに。
また、ペンの字が あまり浮き出てしまうのも違和感があるので、字のところどころに ベース色の薄いムラサキを うすーく塗り重ねています。
さて、このサーバインを製作中に、GA Graphic著の「マスターファイル オーラ・バトラー ダンバイン」をGETすることができました。奇跡的に、フツーに書店に並んでいたんです。
そのイラストを参考に、関節部分にベルトを設けることにしました。
黒く塗った手拭きペーパーをよく乾かしたあと、ベルトの大きさにハサミで切り分けます。
ホチキスの針を 空うちしたものを ベルトの金具に見立てて、肘当て装甲と膝当て装甲にベルトを裏打ちするだけです。
お手軽に ぐっと密度が濃くなりました。
そして、水彩絵の具の黒と白でグレーをつくり、それを 薄めたものを軽く綿棒で当てながら、グラデーションをつけます。
パステルでもよかったかな。表面がざらざらしているし。
今回の塗装作業をまとめると、こういう流れです。
1.「レインボー塗装→アルコールで薄める」で下地
2.任意のエッジにのりを塗る
3.のりが乾ききる前に、ベースの薄いムラサキ(かなり白寄り)を塗る
4.鋳造表現がなまるようなら、ハブラシでタップ
5.極細の青ボールペンで呪文を書きこむ
6.灰色でグラデーションをつける
というわけで、製作記事は以上です。
予定よりだいぶ長くなってしまいましたね。
完成記事は☞コチラです。
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