ガンプラ45周年ジオラマ-ホネの髄まで-1/144フルカラーモデルのグフ使用ジオラマ
―ホネの髄まで―
この作品は、ガンプラ45周年記念イベントの ガンプラエキシビションで展示予定だったものです。
諸事情で参加を断念することになってしまい、せめてもの供養にと 行きつけに模型屋のコンテストに出させてもらいました。
それでは、作品解説をしていきます。
下手(しもて)側の ジムくんは幼少期の自分。
※ちなみに、観客から見て右側が上手(かみて)、左側が下手(しもて)といいます。
ナイトガンダムが掲げる 矢印型の看板のとおり、45年もたつと、ジムくんは ヘビーガンに成長しています。
が、椅子に足がつかないくらいの 子どもっぽさが残っています。靴下もだらしないですね。
すっかりわたしの事情になるのですが、幼少期に過ごした家は、床が絨毯でした。
いまはハウスダスト対策の観点から、フローリングで生活しています。
でも、昭和から平成のルームライフの変化って、だいたいこんな感じじゃありませんでしたか?
幼少期のプラモデルは、当然ながら当時のキット。今でいう旧キットですね。
傑作キットであるズゴックは、ぜひ作品に展示したいと思っていました。
また、こたつの角に立つジムスナイパーカスタム。
これもMSVという一大ムーブメントを代表するキットとして、置かせてもらいました(サラミスのジムを改造したものです)。
武者頑駄無が カゲで頑張ってくれています。
こういう表情、いかにもボンボンらしいですね。
こちらは、「今」を表現した上手(かみて)サイド。
扱うキットは 最新キットかと思いきや、相変わらずの旧キットだったりします。ピンボケしましたが、テーブルに置かれている旧キットは、黒い三連星仕様の06Rの箱ですね。
でも、床を見ていただければ おわかりのとおり、ちゃんと新しいのもありますよ。EGガンダムとか。
なお、これらのガンダムのパッケージにも小ネタをしこんでいます。
絶版となってしまった、初代HGのRX-78ガンダム、お台場に設置された初代ガンダム立像ver.のHGガンダム。
ガンプラエキシビションのテーマは、「ガンプラの45周年」ですから、あえてこういう部分に気を配りました。
もっとも、展示会場のショッピングモールを行き交う人々には まったく気づいてもらえない悲しさがありますが。
ヘビーガンは あっさりとできました。
ズボンのシワにも注目してほしいところですね。おっと、いまどきズボンとは言いませんね。
こちらが、幻の激レアキットと化した、1/144フルカラーモデルのグフです。
全面塗装は避けて、なるべく元の塗装を残しています。
ヒートロッドはハンダ製。足にはスプリングをしこんだ、ホンモノの山根仕様です。絶対にフルアーマーガンダムに圧勝できる自信があります。
合わせ目消しのときは 同じ色調の色を調合するのが大変でした。でも、この苦労から「あえてパーツを閉じない」という発想が生まれました。
いちど はめたパーツを、あえてスナップフィット化させて取り外し、「もうすぐ完成だ」というワンシーンを表現することにしたのです。
副次的な産物ですが、内部に仕込んだギミック構造もお披露目できる利点がありました。
右肩のスパイクアーマーでは、ツノだけ慎重に切り取って 合わせ目消しをほどこし、アーマー前面は 外せるようにしました。それもこれも、内部構造を見てもらいたかったからです。
わたしはコクピット開閉ギミックとか、新たな可動軸を追加したりとか、そういう工作が好きなのですが、そういうのって コンテストでは まったくといっていいほど評価されません。
そりゃ、動かせませんからね。展示物は。
だから、見栄えのするマスターグレードを 説明書のとおりに作って艶消しすれば それだけで賞がとれたりする昨今の風潮には いささか悔しい思いを抱いています。
ですので、「ここをこういじって、こう動くようにしてみました」と 露骨すぎるくらいにアピールしてみようと思い立ったわけです。
さらに、この改造手法そのものにも 小ネタをしこみました。
それは、ハの字加工、可動指工作、ポリキャップ化、モノアイ可動とクリアー化、スイング機構、ネオジム磁石封入というように、80年代から現代までの間に培われてきた数々の定番工作を、一つずつ しこんでみたのです。
※ホントは太もものロール軸追加もしたいところでしたが、フルカラーモデルを活かせなくなるので それは断念しました。
これぞ、ガンプラ45周年の歴史を実感させるにふさわしいのでは、なんていうパッションにふけってしまいました。けっきょく参加できませんでしたが。。。
でも、それならそうと、もっとアピールの仕方があったのかもしれません。
今回のジオラマ作品の反省点のハナシになりますが、「いろいろ盛り込みすぎ」でした。
わたしのように ホネの髄までイッテしまっている人、あるいは80年代のムック本に慣れている人が見てくれれば、たぶんニヤニヤと楽しんでもらえる作品かと思うのですが、現代のマジョリティからすると、冬休みの工作レベルにしか映らないでしょう。
とくに、展示会場であるショッピングモールで グフに施した改造の元ネタがわかる親子がいるはずがありません。
マンガの吹き出しをプラ板で切り出して、「ここをこう改造したんじゃ」くらいの解説をつけた方がわかりやすかったかもしれません(これはこれでやり過ぎ)。
わかっちゃいるんです。わかってはいるんですけど、やってしまうあたり、足が床につかないオトナなんですよねぇ。