新生HGガンダム7号機をレビューしつつ、ガンダム戦記について語ってみる

RX-78-7 ガンダム7号機

一年戦争で伝説的な活躍を見せたRX-78ガンダムシリーズには、計8つの仕様機があったという。最も有名な機体は、アムロ・レイ曹長(のちに少尉)の搭乗した78-2仕様機だが、実は各仕様ごとに一台ずつの機体が製造されている。このため、78-1仕様機は1号機、78-2仕様機は2号機などと、仕様と機体のナンバリングが一致しているとされる。さて、本機は開発ナンバーの7番目に相当する7号機と呼ばれる機体であり、オーガスタ研究所の技術もフィードバックされた〝セカンドロット″シリーズに分類される(セカンドロット=4号機以降のRX-78シリーズ)。ランドセルのスラスターが6基に増設されたほか、78-3型:通称〝G-3ガンダム″で実験されたマグネットコーティング技術が標準装備されている。ただし、設計自体が終戦間近だったことや、戦後の軍縮の影響でシステム開発が遅延し、機体建造後の調整に手間取ったことから、実践投入はU.C.0081となった。7号機はジオン残党に対抗するために結成された『ファントムスイープ隊』に配備され、ガンダムの名に恥じない戦いぶりを見せたという。

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 2009年にプレステ3で発売された『ガンダム戦記』。その劇中に登場するのが、ガンダム7号機です。このガンダム7号機は、もともとM-MSV企画で大河原先生によってデザインされていましたが、同時期に進められていたF90シリーズとデザインラインが類似してしまい、一年戦争中のシンプルな機体とは乖離していました。このため、M-MSVの機体群は、当時マニア間だけに知られていたMS図鑑に掲載されるに留まっていました(あと模型誌)。転機は2001年の『ジオニックフロント』で、このときにガンダム6号機がカトキハジメ氏によってリデザインされたことを皮切りに、徐々に4号機、5号機も再設定されていきました。7号機がゲームで登場するのも当然の成り行きだったかもしれません。

 なお、今回の記事は、『ガンダム戦記』のストーリーのネタバレ・批判を含みますのでご注意を。

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 カラーリングを含め、7号機のシルエットはアムロ搭乗の2号機に近いです。

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 最新のHGフォーマットですので、可動域、スタイルとも申し分ありません。

 今回はスジボリを追加したくらいで、ギミック自体の改造は施していません。

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 もはや形骸化した定義ですが、Zシリーズの旧キットの組み立て説明書などによると、モビルスーツの第二世代とは、

1.リニアシートの採用

2.ムーバブルフレームの採用

3.ランドセルの大型化(バックパック化)

 を満たしたものとされていました。

 また、富野御大の言及されるモビルスーツの性能とは、「一年戦争時代は第一次世界大戦の複葉機、Z時代は第二次世界大戦の戦闘機」くらいの差があるそうです。

 なので、昨今のサイドストーリーモノに登場するような、「一年戦争時代の機体なのに、強すぎる特別機、あるいは改良機」はやり過ぎなのです。たぶん、この想いはわたしだけではなく、旧来のファンたちはだいたい皆感じていると思います。EXAM機がぎりぎり許容範囲なラインでしょうか。

 こうした背景を考慮すると、「7号機は戦後に配備された」という設定は納得がいく内容です。

 7号機の背部スラスターを見れば、もはや一年戦争機の〝ランドセル″ではなく、Z時代の〝バックパック″並ですから。もっと正確にいえば、

「背部スラスター装備類をバックパックに移行しようとしているものの、従来のランドセルの概念から一歩踏み出せずに行き詰まった」

 という感じが出ていると思います。ここから〝バックパック″に進化するには、ガンダム開発計画が必要だったわけですね。

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 このHGを組み立てて感じたのは、「なぜわざわざここにダボが?」という構造でした。

 もしかしたら、後日重装フルアーマーver.を発売するのかもしれませんね。

 それよりも、昔のフルアーマーガンダム7号機を再販してほしいのですが。

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 ところで、プレステ3版ガンダム戦記を懐古しながら、そのゲーム自体はどうだったかという点に触れたいと思います。

 高難易度のミッションが本当にシビアで、自力クリアは断念しました。

 何度やってもビグザムに勝てず、ネットワークプレイで助けを求めたところ、ミサイルポッド装備のガンキャノンが瞬殺してくれたのを今でも覚えています。

 さて、どの立場でモノを言っているのかと指摘されそうですが、『ガンダム戦記』の最大の問題点は、ストーリーの稚拙さだったと思います。シェリー・アリスンの行動が意味不明すぎるのです。

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 あのストーリー展開上、シェリーというキャラクターにはどういう振る舞いをさせれば良かったのでしょうか。

 ぶっちゃけた話、シェリーが一線を超えてもいない男(ユーグ・クーロ)に情を移した……というハナシの展開自体にムリがあるのです。だって、彼女はジオンの仲間たちとともに、国家存亡をかけた戦いを潜り抜けてきた人間です。そうそうジオンを裏切ることができるでしょうか。仲間の中には兄だっています。バレれば死罪確定のスパイとして連邦軍に単独潜入している身でありながら、肉体関係すら持っていないただの同僚に過ぎない男を、「信頼できる隊長だから」という理由だけで、ジオンの仲間たちを裏切るなんて、ありえませんよ。

 かのニナ・パープルトン女傑が、かつて一線を超えた男と、一線を超えてすらいない童貞のお坊ちゃまを天秤にかけ、どちらを選んだのかを思いだせばよくわかる話です。当たり前です。

 ガンダム戦記のシナリオ製作陣は、ストーリー上のヒロインの立ち位置を、〝主人公にとって都合のいい存在″程度にしか考えていないのではないでしょうか。

 富野作品には、男どもに都合のいい女なんて一人もいません。わがままだったり、高慢ちきだったり、ハッキリ言って男の視点からすれば性悪女ばかりです。でも、自己意思決定力のある一人の人間を描くというのはそういうことです。性悪男も同じくらいいるのですから。

 同じような話をいえば、AGEのユリンも同じ立ち位置のキャラクターで、「主人公にトラウマを植えつけながら、庇って死ぬ係」を割り当てられただけに過ぎません。だからあれは面白くないのです。

 作劇の中でリアルな生活感を共感できなければ、後世に残る物語などできっこありません

 では、どうすればあの『ガンダム戦記』はもっと面白いストーリーになったのでしょう。

 まず、シェリーのスパイ行為を見つけた主人公の行動でストーリーが分岐するようにしてはどうでしょうか。

<シェリー黙認ルート>

 捕虜にしたジオン残党に紳士的にふるまうユーグにシェリーは恋心を抱き、彼の子を宿してしまう。ユーグもシェリーの正体に感づきながら、上層部に報告するべきか逡巡してしまう。そのわずかな間に、嫉妬の情念を燃やしたマオ・リャンによって仔細が上層部にバレる。シェリーとユーグはガンダム7号機を盗んで逃亡。残党アジトにてエリク・ブランケと共闘するか、対決するか決心を鈍らせるユーグの前に、のちにティターンズで横暴を極めるバスク・オムに率いられたファントムスイープ隊が襲いかかる。

<シェリー敵対ルート>

 シェリーを逮捕しようとするも、部下の不手際で取り逃がしてしまう。このとき、整備長のボブ・ロックがシェリーに撃たれて戦線を離脱してしまい、ガンダム7号機は整備不良のまま戦いにのぞまざるをえなくなる。一方、ガンダム7号機のデータコピーを手土産にジオンに帰還したシェリーによって、エリクのゲルググは大幅に強化される。やがて水天の涙計画の終盤で、ガンダムのデータを取りこんだ強化型ゲルググと、整備不良のガンダム7号機が決戦する(そもそも残党勢力は旧型機ばかりで不利な筈なので、連邦側にハンデをつけるべき)。

……など、前作のゲームとの差別化を含めて、いろいろやりようはあった気がします。

 シェリーというユニークなキャラクターをどう活かすかを、ユーザーに委ねるのです。アニメではなく、あえてゲームを媒体とする意義とは、そういうところにあるのではないでしょうか。

 少なくとも、シェリーは敵対勢力の女スパイですから、ユーグにとっては都合の悪い女として描ききらなければなりません。

 あ、妄想を交えながら長文化してしまいましたね。

 次回は同じガンダム7号機のオリジナルバリエーション機についてアップします。

やそろく仙人

内科医です。模型やらTRPGの愛好家です。

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