習作シリーズ 陸戦型ジム -ダメージ表現の追求:チッピング- 

RGM-79【G】陸戦型ジム

<機体解説>

一年戦争の半ば、「RX計画」にて開発されたRX-78ガンダムの余剰パーツを利用して製造されたモビルスーツの一機である。兄弟機とも呼べるRX-79【G】陸戦型ガンダムの生産が優先されたが、コスト、パーツの問題で 陸戦型ガンダムのみでは 最前線に配備させる必要機数を満たすことができず、のちにRGM-79ジムと共通部品となる廉価版パーツを2割ほど使用して陸戦型ジムが製造された。装甲材質にはルナ・チタニウム合金が使用されており、耐弾性能は高い。ジェネレーターは低出力の廉価版とされているが、ビームライフルを装備した機体があり、定説ははっきりとしない。終戦後も基地警備に使用されている場面が目撃されている(0083リベリオン 6巻)。

 

使用したマテリアル 旧キット 144 陸戦型ジム

プラ板

スプリング

ラッカー塗料

100均の水彩絵の具

◇  ◇  ◇  ◇  ◇  ◇

今回紹介する陸戦型ジムのプラモデルは、1990年代に一度製作 →その後、バラして合わせ目消し、アーマーのスプリング固定、コクピットの製作といった改造をほどこし →2020年にチッピングの習作、という変遷をたどった作例です。

陸戦型ジム

プロポーション自体に手を加えていません。

旧キットの08小隊シリーズは良作揃いで知られています。

(そもそも、HGUCシリーズは、08小隊シリーズの1/144グフ・カスタムの技術をスタンダードに据えてはじまりました。)

この陸戦型ジムのプラモデルは コクピット開閉ギミックが 備わっているぶん、陸戦型ガンダムのキットよりも優れています。

当時のことを覚えている方は 懐かしいかと思いますが、発売当初の陸戦型ガンダムといえば、06Jザクとの抱き合わせキットしかありませんでしたから、けっこう不評でしたよね。

デザインが犬顔だったり、「一年戦争中にウジャウジャとガンダムが量産されていてたまるか」というファンの疑問(←当然)を察したんでしょう。

私見ですが、セガサターンでブルーディスティニーが発表されてから、08小隊もようやく認知されたように思えます。

「主人公がジム乗り」というブルーの設定が、旧来のファンを納得させ、陸戦型ガンダムと陸戦型ジムを潤滑に受け入れさせたんだと思います。

陸戦型ジム

ランドセルのバーニアは、エッジがシャープなWAVEの改造パーツを使用しています。

手もWAVEの改造パーツですね。

本体にはあまり手を加えず、合わせ目消しなどの習作のつもりでしたから、足首関節とかポリキャップが見えちゃっています。

でも、塗装やダメージ表現に視線が向くので、そういった影の部分は 意識しないと気がつきませんね。

今回、久々にこの陸ジムを開けて 妙に納得してしまいました。

関節隠しにこだわらないのも、ひとつの手法かもしれません。

もっと正確にいえば、だまし絵的に、見てほしい部位を強調させて、見えてしまっている部分に意識を向けさせないようにする工作といったイミですね。こんど試してみようかな。

陸ジム

遠慮なくガシガシとダメージ表現を加えています。

ローターでエッジを削る作業もしましたが、実は、見た目ほど削っていません。

「えっ」と思われるかもしれませんが、これがチッピングの効果なんです。

ちぎったスポンジの端っこに、薄めた水彩絵の具を浸したあと、水気をとって プラモにチョンチョンとつけるだけです。

わたしの場合、絵の具の濃度は 割とシャバシャバにしています。

この陸ジムで練習したときに、濃すぎて失敗したからです。

でも、失敗してもすぐに 水でふき取ってリカバリーできたので、このチッピングは わたしのスタンダード工作に なりました。カンタンですもん。

絵の具をふき取る際に、わざとうっすらと 絵の具が残るように調整すれば、なんちゃってグラデーション塗装に。

肩装甲の退色表現に 応用してみました。

陸ジム

ただ、この技は機体色にも左右されるみたいで、寒色系だと粉がふいた感じに終始することがあります。

まだまだ研究が必要です。

コクピットの工作も追加。

陸ジム コクピット

陸ジム コクピット

ヴァルケンのときほど作りこんでいませんが、劇中でもコクピットの開閉は印象的でしたから、やっぱり「あ、開くんだ」というギミックがあると うれしくなりますよね。

この陸ジムは肩の引き出し機構もありませんし、腕だって一軸可動です。

太もものロール機構もありません。

が、ちょっと気に入っています。

陸ジム

フロントアーマーはスプリング可動に。ジオンのスカート構造だと効果的かもしれませんが、連邦製だとどうでしょう。。。

ま、当時のホビージャパン誌の作例をマネしたくなって、練習した証です。

90年代-00年代の定番工作だったんですけどね。

スプリングにすると、変なスキマができたりすることがありますが、この作例だとピッタリおさまってくれました。

可動範囲は旧キット相当です。

陸ジム

でも、「動かない=悪」は間違っていますよね。

わたし自身、ギミックを仕込むのが好きなので 可動至上主義の気持ちもわかるんですが、そのぶん、いまの(2020年代の)ガンプラはどうでしょうか。

パーツ数が増えて、価格が高騰化。

ポロリも多く、ストレス。

すぐに完成しない(達成感を味わうのに 時間がかかって、面倒くささを伴うように。。。)

もちろん、いまの技術でリリースされる製品も素晴らしいですし、わたしも よろこんで購入してはいるんですが、90年代後半-00年代のキットこそ、プロポーションと値段、最低限のギミックの確保、という点で、あらためて見直されるべきじゃないのかな、なんて思ったりします。

さいごに、ジムといえば。

陸ジム

「うわぁーー!」

という、やられ役ですな。

ではでは。

やそろく仙人

内科医です。模型やらTRPGの愛好家です。

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