量産型エクシア-エノク/メタトロン- メカデザイナーで統一すると全体のラインが安定化!?
GN-001T 量産型エクシア エノク
<機体解説>
エノクは、アレハンドロ・コーナーの造反によって多数のGNドライブ搭載機が戦場に投入されるようになった事態に対応するべく、ソレスタルビーイングが新たに開発した量産機である。”GN-Xキラー”としての性能をめざし、GNフィールドの突破機能を有するガンダムエクシアの設計を見直し、一部のパーツを廉価版としながらも、疑似太陽炉を搭載しながら高出力のGNソード、およびGNブレイドを装備することに成功した。しかしながら、稼働実験の段階からヴェーダの支援を受けられなかったことに起因するトラブルがつづき、強力なリミッターの設置を余儀なくされ、本来期待されていたほどのテスト結果を導きだすことができなかった。このため、生産数はごく少数に留まったとされている。のちにGNR-000 GNセファーと合体し、リミッターを解除しても安定した出力を発揮するようになった。このセファーで強化されたエノクは、メタトロンと呼称されてアロウズとの最終決戦に投入された。<本作例のみの非公式設定。>
使用したマテリアル 1/144 ガンダムエクシア
WAVE製 1/144 MBV-707G テムジン D.N.A DIDE
1/144 HGUC ガンダム試作3号機 ステイメン
ジャンクパーツ
というわけで、2009年ころに製作したオリジナル機体をアップします。
若いですねえ。設定とか。
書いてて ちょっと恥ずかしくなりましたが、自虐も度が過ぎると ナンセンスなので、堂々といきたいと思います。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
まずは正面から。
テムジンにGP-03Sと、流用パーツがまんまです。
一部のカラーリングを 量産型っぽく、落ち着いた色に変えています。
背面は ほぼエクシアと変わらず。
この量産型エクシア・エノクを作っていて、いくつか気づいたことがありまして。
ひとつは、塗装についてです。
この時期は 本業がちょっと忙しくて、ガンダムマーカーで手抜き塗装をしていたころでした。
同時に、
「シールはダメ」
という固定観念をもっていたため、なんとしても「塗らなければ」という気持ちで マーカーを手にしていました。
そのせいで 色ムラに困ったり、ちょうどいい塩梅のカラーリングが決まらずモヤモヤする場面があったのです。
この作例では、大腿部の着色作業で 手が止まりました。
どうしようと考えていたとき、川口名人が とある番組で「銀の部分は銀のシールを使ったりすると質感がちがいますよ」というアドバイスをしているのを見かけました。
そこで、キット付属のシールを貼ったところ、ものすごく しっくり。
当然ですが、色ムラもありません。
奥まった部分なので、シールの段差も気になりません。
これ以降、「シールはダメ」「塗らなければ」とは思わなくなりました。
もうひとつのポイントですが、それはミキシングビルドを おこなう際の わたしなりの方法論でもあります。
いったい なにかというと、
「メカデザイナーを統一しましょう」
ということなんです。
ほかに提唱されている方がいないので、こんな変なことを言っているのは たぶん わたしが初めてじゃないかな、と思うんですが。。。
いまや綺羅星のごとく、さまざまなメカデザイナーがいらっしゃいますよね。
大御所の大河原邦男先生をはじめ、ガンダム関連ならカトキハジメ先生などはメジャーかと思います。
で、そういったデザイナーの先生って、ガンダム以外のメカも てがけています。
たとえば、
●カトキ先生→バーチャロン、ポリスノーツ、スパロボなどなど。
●海老川先生→ガンダムエクシア、境界戦機、フルメタルパニックなどなど。
オラザクや 最近のガンダムマンガ(主に、暴走中のスタジオオルフェ)などを眺めていて、以前から感じていた オリジナル機体に対する違和感の正体って、元のメカデザイナーの異なる機体同士を 合成獣化したチグハグ感なんじゃないかなって 気づいたんです。
具体的にいえば、永野護先生の流麗なデザインに フルアーマーガンダムの ごっつい2連装砲を装備したって、似合いませんよねってことです。
このエノク、こうした考えにもとづいて 肩から胸にかけてのラインを 試しにカトキデザインで構成してみたのですが、流用パーツまんまなのに、けっこう整合性がとれたんです(わたしの主観ですが)。
こういう「メカデザイナーで合わせる」という発想にもとづいて ミキシング作品をやってみても 面白いかもしれません。
考えすぎかもしれませんが、HG・MGで 割とテキトーにミキシングしただけでも、それなりの モノが出来上がるのは、カトキ先生が商品化の際に デザインラインを統一してくれた賜物かもしれませんね。
あまり知られていませんが、この美術手帖2015年2月号。
このそうそうたるメンバー。
メカデザイナーたちが それぞれ何を考え、どのような線を追求しているのかを特集した傑作本です。
これを読むと、カトキ先生が いかに苦心して万人向けのデザインを されているのかがわかります。
ミキシングの際に、カトキデザインは いろんなパーツと相性がいいのも納得です。
お持ちでない方は、バックナンバーを探してみても損はないと思いますよ。
さて、本題へ。
この作例。実は十年ぶりくらいに箱から出したんです。
ごらんのとおり、雑な仕上げをしたばかりに、けっこうひどい状態でした。
この機会に、せめてGP-03Sそのものの肩を プラ板でデコレーション加工しようかな、くらいは考えましたが、年度末調整で忙しかったので リペイントでごまかしました。
うん。真っ白いラインが入って、情報量も上がった気がします。
これでお茶を濁すことにしましょう。
GNソードのついたシールドも、量産機っぽくしています。
ところで、アニメ「ガンダムOO」って、主人公機を接近戦用に設定したのが吉でしたよね。
水島監督の演出される殺陣って、「鋼の錬金術師」のころから すごかったじゃないですか。
お次に これはGNセファー。
電撃ホビー2009年2月号の付録です。
付録とあなどるなかれ、けっこう よくできているんです。
ガンダムと合体するための分離機構、変形機構がついていますが、パーツの金型が優秀だったのか、可動部分が へたらないんですね。
このGNセファー。もう電撃ホビーが事実上の廃刊になってしまった以上、絶版ガンプラ化しています。
金型ひとつに1000万円単位の費用がかかるらしいので、元をとるうえでも なにかのカタチで再販しないもんでしょうかね。
GNセファーを合体!
プロトBNビットは上向きにしました。
オーバーハングキャノン、もしくは ヤクト・ミラージュをチョイ意識。
シールドには、市販の改造パーツを無理やり装着。
バックショットから見ると、エノクのときとは 外観がすっかり変わります。
武装も含めて、全身のシルエットが アルファベッドの「H」型に なるようにしてみました。
エノクとは、天使ラジエルから <本>というイミの<セファー>を授けられた人間の名である。
<セファー>を得たエノクは、死することなく天使メタトロンとなって昇天した。
(参考文献:PHP文庫『「天使」と「悪魔」がよくわかる本』PHP研究所, 2006年)
このお話を知って、付録GNセファーを授かるオリジナル機体の名前は、「エノク」しかないと 決めたんです。
しかも、天使だらけのソレスタルビーイングの中にあって、一介の人間に過ぎない名前なんて、まさに量産機っぽいと思うんです。
「エクシア」の韻を踏むうえでも「エノク」はちょっと通ずるところがありますし。
こうした背景ですから、機体シルエットにも「Human」というイミを込めて、「H」型なんです。
そうそう、あとはダジャレも こめています。
絵の具を使ったから、「エノグ」→「エノク」。
まさかの トリプルミーニングです(笑)
ぐばぁっと!
キュリオスの武器とつながりを もてそうですね。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
「貴様! ガンダムではないなっ!」
「くっ。機体がピーキーすぎる! ヴェーダの支援がなければ こんなものか――」
なんていう風景を妄想。
「あ、あのフラッグ、速い!?」
「ガンダムもどきには、消えてもらうっ!」
そもそも、エクシアをデチューンしようと思ったキッカケは、オーバーフラッグ・ハイマニューバパッケージと 肩を並べられるようにしたかったからなんです。
「このさきの 戦場には行かせん!」
「ふんっ! 旧型機の廉価版などで、我らアロウズにかなうとでも!?」
「マイスターたちの背後は、俺が守る!」
ダブルオーを駆る刹那たちの戦場に、アロウズの援軍が迫る。
それを阻止するべく、ソレスタルビーイングの 忘れられた量産機が立ちふさがった。
なんてゆうのはどうでしょう。ありがちですね。
でも、世代のちがうジンクスⅢとも わたりあえそうです。
たぶん、パイロットの生死は 監督によって決まります。
ではでは。