【完成】HGUCザク改は、実は改造前提のキットとして秀逸だった件。
MS-06FZ ザクⅡ改
<機体解説>
一年戦争末期、ジオン軍は機種転換の効率化をはかるべく、各モビルスーツの操縦系統を規格化する統合整備計画を発動した。MS-06系の最終生産機となった、FZ型ザク改は、MS-07グフ、MS-09ドム、MS-14ゲルググなどの技術をフィードバックして再設計された機体であり、スペック上はグフすら凌駕する性能を誇った。脚部に増設されたスラスターを利用して、短時間のホバリングも可能とされている。その一方、稼働時間が短く、長期戦には不向きな機体となった。
使用したマテリアル 1/144 HGUC ザク改
1/144 旧キット ザク改
1/144 HGUC ザクⅡ
プラ板
HGUCザク改のキットは、あちこちで低評価をくだされています。
たしかに、四肢は細く、全体的にボリュームが足りません。旧キットの方が設定画に忠実ではあります。
でもそれは、あくまでも素組派の意見です。
このHGUCザク改のキット。
工作しようとすると、とんでもなく やりやすいキットだったんです。
最初からコクピットブロックは分割されており、モノアイも可動軸が 確信犯的に仕込まれています。
ボリュームアップだって、初歩的な「プラ板はさみこみ」だけで十分です。
むしろ、素組み派が 初歩的工作にチャレンジするうえで 最適なキットなんじゃないかな、バンダイはそれをメチャメチャ意図したんじゃないかな、とすら思えてしまうんです。
なんか上から目線ですね、すみません。。。
改修した写真です。
高機動型ザクの作例と同じ、グラナダ防衛隊所属の部隊章です。
もう少し太ももと 胸部をボリュームアップすれば良かったかな、なんて感じてしまうんですが、設定画をみると、第一印象ほど太ももは ぶっとくないんです。
2000年代のホビージャパン誌で、カトキハジメ先生が 既存モビルスーツをHGUC化するにあたり、インタビューをうけていたんです。
そのとき、カトキ先生は、
「出淵デザインは、凹凸が有機的で、立体化に落としこもうとするのに難しい」
という感想を漏らしているんですね(ソースを提示できなくてごめんなさい)。
たしかに、出淵デザインには、大なり小なりオーラバトラーの要素が 入っているんだと思います。
あと1mm、胸部だけ横幅が欲しかったかな。
製作記事の方と重複しますが、ザク改って、レオパルトⅡ戦車のデザインラインを踏襲しているような気がします。
三角の増加装甲をつけた、2A5型ってヤツ以降の。
ザク改は もっと上半身がどら焼きのような 横幅を持っていますから、戦車をイメージしながら製作すると 良かったかもしれません。
そうそう、モノアイなんですが、頭部の内面を真っ黒に塗っただけなので、じつはL字ランナーのみのスカスカなんです。ばれてませんね。
劇中の雨にうたれるシーンで、透明なモノアイシールドが描かれているのが 印象的だったのですが、今回は割愛しました。
マシンガンにつづき、バズーカを持たせてみました。
このバズーカは、ジャンクパーツから発掘。
たしか、08小隊シリーズの、MS-06J(JC)型 陸戦用ザクⅡの付属武器だったと思います。
このザク改の見せ所である、コクピット開閉。
フツーは、もっと片膝立ちにするのがいいんでしょうけど。
もっと近くから。
一応、バーニィの出撃シーンを一時停止しながら、両サイドモニターやら操縦桿やら 作ってみたものの、スマホだと全然見えませんね。
コレ、劇中を彷彿とさせる角度。
アルとバーニィの邂逅ですね。
こちらが、武器一式。
旧キットのMMP-80マシンガンもあります。
HGUCの方はデカすぎです。
最近のRX-78ガンダムのビームライフルとか ORIGIN版ザクのザクバズーカなんかも そうですけど、ちょっとデカくしすぎです。
他のガンダム作品とコラボするうえで、貧相な武装だと目立たないからって意図なんでしょうけど、明らかに不自然ですよ。
武器は、もっとコンパクトでいいんです、コンパクトで。
大剣だって見飽きました。ベルセルク、FFⅦ以降、マネが増えましたよね。。。
「デカい武器を持たせて強いんじゃー」ってのはあまりに安直な発想。
そのモビルスーツが強いんじゃなく、その武器が強いんじゃん、とツッコみたくなります。
「我らグラナダ防衛隊は、まだ戦える!」
「ジーク・ジオン!」
って感じですね。
関係ないですけど、「日本の一番長い日」って、ご覧になった方います?
わたしは映画でしか見ていませんが、あれは日本人の必修科目ですね。
終戦に反対する陸軍の青年士官らによる、玉音放送の中止をめぐるクーデター未遂事件を あつかった作品です。
なんとなく、いま それを思い出しました。
また、タイトルが似ていますが、「日本の一番長い夏」というのもあります。
戦後の1963年に、雑誌「文藝春秋」で企画された座談会のことなんですが 当時の日本軍の中枢にいた人物や、大使、一般兵などが一堂にかいして 戦時を振り返るという企画だったんです。
この「日本の一番長い夏」は、2010年に文士劇というカタチで映画化されました。
そして、なんと富野由悠季監督が、今村均陸軍大将の役で 出演されています。
(今村大将は、占領地でも植民地解放のスジと人道に基づいた政策をほどこしたことで知られており、高級将官だったにも関わらず東京裁判で死刑を免れています。
ラバウルに頑強な半永久地下基地を建設して、アメリカ軍が攻めあぐねているうちに終戦をむかえました。そんな陸軍大将です)
キャストへのインタビューも すごくタメになりました。未見の方は両方ともぜひ!
最後の写真は、やっぱりヒートホーク装備でしょう。
柄と刃をランナーで延長しています。
というわけで、HGUCザク改を改修してみました。
モノアイとコクピットはともかく、フロントアーマーと太もも、前腕の延長だけでも だいぶプロポーションは良くなります。
あと手をつけるとすれば、この作例の心のこりとなった、胸部の横幅延長くらいです。
たぶん、上から見て扇形になるように(前から見たら胸は横にひろがっている)すれば、腕との接続部分までいじらずに改修できると思います。
その場合は、少しだけ肩の前方への引き出しがしにくくなるでしょうけど。。。
ではでは。
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