エフトイズの1/144 F-14Bトムキャットをつくろう!【製作編 その1】

前回の武者νガンダムのとき、「ガンプラエキシビションに 出しそびれた作品について出そうかな」と お伝えしましたが、その前にひとつ。エフトイズ・コンフェクトさんの、<トムキャットメモリーズ2>から、1/144 F-14B トムキャットの製作記事と作例をアップしたいです。

F14 トムキャット プラモ 1/144 1/72 改造

<トムキャットメモリーズ>は 2022年発売の商品ですが、2024年夏の時点で 近くにある老舗のプラモ屋で 普通に販売していました。

個人的に トムキャットは戦闘機のなかでもっとも好きな機体で、いつか作ってみたいとボンヤリ思っていました。

それに加えて、このエフトイズ製の半組み立てモデルならば、スケールモデルといってもハードルが低そうだったことから、その場で購入しました。

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開封すると、なるほど。「スケールモデラ―も唸らせる」といわれているとおり、その緻密なディテールに目を奪われます。

F14 トムキャット プラモ 1/144 1/72 改造

スケールモデルで1/144サイズ、というのは、ガンプラでいえば1/220スケール、あるいは1/350スケールのようなモノで、決して主流のサイズではありません。

ですが、ディスプレイ事情と 低価格を求めるユーザーの目線を踏まえた、エフトイズさんの販売戦略が正鵠を得たのか、1/144モデルはエフトイズさんのヒット商品として二十年以上も続いています(エフトイズさん自体が1/144サイズにフォーカスを絞った会社なのですが)。

そもそも、エフトイズという会社はフルタ製菓の内紛騒動と関係があります。

詳しくは、かの宮脇センム(海洋堂専務)の書籍に顛末が書かれています。

エフトイズ 海洋堂 フルタ

もともとフルタ製菓とのチョコエッグ企画で 一躍名をはせた海洋堂でしたが、フルタ製菓側は ディズニーキャラクターのチョコエッグ化の ハナシを持ちかけます。ところが、ノンキャラクターで攻めたい海洋堂にとっては、ディズニーキャラなどもってのほか。いつフィギュア製作の発注先が バンダイやタカラなどの大手に鞍替えされるか わかったものではありません(それ以上に、せっかくノンキャラクターでメガヒットを飛ばした事実に大きな意義を感じていた海洋堂にとって、キャラモデルへの路線変更など 造形師としての矜持が許さなかったようです)。

このころから、チョコエッグを介した海洋堂とフルタ製菓の蜜月関係は 冷えだしてしまい、やがてフルタ製菓の社内紛争を機に、両者は袂を分かちます。

フルタ製菓の社長の息子のうち、弟さんがクーデターがおこし、フルタ製菓を乗っ取ったうえ、チョコエッグのブランド名を引き継ぎました。一方、兄の方はチョコエッグなどの食玩のノウハウ、製造ラインとともに退社し、独自の食玩専門会社を立ち上げます。

それが、エフトイズです。

こうした歴史を知ると、エフトイズさんのラインナップが コンパクトな内容に徹底しているのもわかる気がします。

それにしても、バンダイ、田宮の歴史は戦後の模型メーカーとしての歩みそのものでしたが、海洋堂はまた一味違いますね。海洋堂はもともと一軒の模型屋に 過ぎませんでしたが、やがて造形師のたまり場になり、ガレキ製造と販売で有名になり(その起爆剤のひとつが、この時代のキーマンのひとりである岡田斗司夫氏というのも面白いですね)、キャラホビ主催、ボークス事件、乗っ取り未遂事件などの 冒険と失敗を重ね、やがてアクションフィギュアと食玩で 主流メーカーにまでのし上がった、いわばサブカルチャー時代の申し子のような会社です。

海洋堂の歴史に触れると、プラモデルだけではなく、ガレージキット、食玩などの造形物の経緯も見えてきますので、模型好きな方は先述のセンムの書籍をご一読してみてください。

さて、本題に戻ります。

F14 トムキャット プラモ 1/144 1/72 改造 トムキャットメモリー エフトイズ

コクピットは簡素な造りになっているので、樹脂粘土で大まかに盛ってみました。

とくに後部シートのコンソールが無いに等しかったため、ここに手を加えるだけでだいぶ違ってきます。

写真には写っていませんが、このあと脱出用のレバー(黄色と黒の縞々)やパイロットの塗装などを付け加えています。

F14 トムキャット プラモ 1/144 1/72 改造 トムキャットメモリー エフトイズ

なるべくサクッと作りたかったので、手間は最小限に。

パーツ成型時にできたパーティングラインを削っておきます。

機種の合わせ目は目立つので、瞬間接着剤で埋めておきます。

F14 トムキャット プラモ 1/144 1/72 改造 トムキャットメモリー エフトイズ

今回のトムキャットから、ようやく わたしも細かい目のヤスリを使うことにしました。

はるかむかし――いまいちヤスリ目が わかっていなかった頃、パーツ同士の合わせ目を消そうとして いきなり1000番を使ったことがありました。当たり前ですが、まったく合わせ目が消えてくれないんですね。その時の苦労感が尾を引いていて、ここ二十年くらいの間、600番でヤスったあとは 仕上げの800-1000番ヤスリをせずに 塗装に移っていたんです。

ですが、戦闘機の命ともいえる透明キャノピーを処理するにあたり、さすがに極細ヤスリが必要になりました。

100均で2000番くらいまでのスポンジヤスリは売っていましたが、さすがにもっと細かいのは扱っておらず、模型専門店で田宮製のヤスリを購入してきました。

HGヘビーガンダムとか、たしかに仕上げが粗くなりすぎたな、と反省する作例も多かったので、きちんとした仕上げを心掛ける よいきっかけになったと思っています。

<つづく>

やそろく仙人

内科医です。模型やらTRPGの愛好家です。

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