HGビランビーの改造・改修 ー今までありそうで無かった装甲表現を目指してー【その3】
前回の「その2」では、「ビランビーらしさ」を目指して、水にちなんだ装甲表現をほどこす方針となりました
その具体案として追及するのが、ウロコ表現です。
半魚人っぽいビランビー。
でも、意外ですが モロにウロコ表現をされたビランビーの作例は少ないように思います(わたしが知るかぎり)。
ハナシが脇道に逸れますが、ビランビー関連の作例のうち 最も有名なモノは、やはり伝説の「海洋堂のギトール」でしょうか。
このギトールって BS-TBSで放送されていた「X年後の関係者たち あのムーブメントの舞台裏~海洋堂~」では、出演者たちからも 傑作として紹介されていましたよね。
ネットで画像検索すれば カンタンにヒットしますので、未見の方はぜひ。アレは、もはや美術工芸品の域。
あとは 天才・竹谷隆之氏の手による、ロードオブバイストンウェルシリーズの「Vol.2 ビランビー」でしょうか。
そんな偉大なる傑作群を 少しでもマネしたいとは思っていますが、次元が違いすぎて 作風の方向性しか参考にならないですね。
ウロコ表現は 複数のアプローチでチャレンジしたいと思っています。
そのひとつは前腕部の<彫りウロコ>でした。
そして 脚部には、丸型彫刻刀でU字のキズを ザクザクつけてみました。
ささくれだった感じが ウロコっぽくなるだろうなあ、と思いついたのです。
が、この方法は失敗でした。
ランダムでザクザクやってしまったため、単に装甲表面が汚くなっただけでした(のちほど、この脚部にも接着剤を塗って、ハブラシでトントンしました)。
この反省を活かしたのが、大腿部。
前回、樹脂粘土の使用を避けたいと 言いましたけれども、こういう使い方はどうでしょうか。
いつものゴワつかせる使い方ではなく、ウロコをモールディングするための 下地として、樹脂粘土を 薄く塗布してみました。
それだけではありません。
これをご覧ください。
ウロコを一枚ずつ作成しました。
これをチマチマ貼っていきます。これなら間違いなく、本物の鱗ディテールになります。
なお、この”ちねり作業”は、話題のバーンブレイバーンを視聴しながら行いました。気がついたら 手元には相当量の鱗パーツができていました。
サイコーですね、ブレイバーン。
木工用ボンドで、鱗を部分的に貼っていきます。
自然にめくれた感じになるようにすると リアルかな。
脚部は、前述したように、接着剤を塗って、ハブラシで叩き直しました。
ここで、想定外の効果を発見!
一番左の腰パーツは、プラ表面に無加工のまま接着剤を塗って鋳造表現にしたもの。
一方、その隣の脚部パーツは、一番右側のパーツのような”ささくれ”加工をしてから、同じく鋳造表現にしたもの。
接着剤とハブラシで 表面を叩く作業自体は同じなのに、仕上がりの粗さが 全く異なるのです。
これは、「素材の外殻を使用したパーツ」と、「工場で鉱石から鋳造したパーツ」というように、製造過程の違いを表現する技法として応用できそうです。
このことを意識したうえで、肩パーツに とりかかりました。
肩アーマーは 鉄の鋳造品という設定で、腰パーツと同じような、細かい凹凸にしてみました。
パーツの合わせ目を あえて残して、前後の部品を溶接したかのように表現したかったのですが、まんま「プラモの合わせ目消し途中」のようにしか見えず、断念。
上の写真のあと、フツーにヤスリをし直しました。
あっちこっちのパーツの紹介で わかりにくい記事ですみませんが、お次にコクピット。
これまでに作成したサーバイン、ダーナ・オシー、ビルバインのいずれも、コクピット開閉にこだわってきましたから、今回のビランビーにも同じ開閉ギミックは仕込みたいところです。
開閉時の回転軸になりそうな部分に目安をつけて ピンバイスで穴を穿ちました。
この位置決めは 特に慎重に行います。
さて、ビランビーのコクピットは、上からかぶさるカウル(風防)のような部品と、観音開きの部品で成り立っています。
問題は、この観音開きの方です。
ヒンジを組み込むスペースが無いのです。無理をすると、むかしのダイキャスト製玩具のように、デザインに悪影響を 及ぼしてしまうでしょう。
磁石を使って、差し替え式にする手も考えましたが、思い切ってこうしてみました。
紙テープです。
それも、印刷に耐えるラベルシートですね。
小学生の工作レベルといえば自虐が過ぎますが、これが案外しっくりハマりました。
ラベルシートなので問題なく塗装も可能です。どうせ、いつものようにアクリル塗料で サフがけをするのですから、素材が何であろうと、最終的な表面の仕上がりに それほど大きな影響は出ない、と思うことにしました。
次回につづきます。
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