速水仁司さん原型! B-CLUB製リアルタイプ武者ガンダムをめざして
武者ガンダム
万代小学校に通うプラモ狂四郎こと京田四郎は、模型秘伝帖-木の巻-を得るべく、茂合岩男との決戦に挑む。茂合が製作した木彫りの龍に対し、四郎の披露した模型は、「妖怪退治にうってつけの」武者ガンダムであった。消しゴム製のボディと鉄球コクピットを備えた武者ガンダムは、茂合の猛攻に耐え抜いて辛勝を得た。
使用したマテリアル 1/144 旧HGUC ガンダムマークⅡ
1/144 旧HGUC ザクⅡ
1/144 B-CLUB製 武者ガンダム
コトブキヤM.S.G ウェポンユニット06サムライソード・マチェット
WAVE オプションシステムシリーズ Fハンド角
HiQパーツ ネオジム磁石 丸型2mm
100均uvレジン、樹脂粘土、プラ板、スプリング
武者ガンダムといえば、みなさんはSDガンダムの武者七人衆を 思い浮かべるかもしれません。
わたしもSDガンダム直撃世代ですので、あの赤いBB戦士は大好きです。
でも、今回はちょっと思い出深い、リアルタイプ武者ガンダムを紹介したいと思います。
少しだけですが、春らしい趣向も凝らしてみました。
まずは正面から。
ベースは旧HGUCのガンダムマークⅡ(ティターンズ仕様)を使用しています。
前腕部は、旧HGUCザクⅡのものを ムリヤリつなぎました。
こうしてみると、上半身のボリュームに対して 下半身がちょっと心もとない感じもします。
背面です。
この武者ガンダム、作り始めたのが2002年か2003年なんです。
製作過程を撮影していないので、この記事でカンタンに 説明させていただきます。
昔から、わたしは オリジナリティのアピールしたがり屋だったんですが、HGUCマークⅡを購入したとき、「ただの素組みじゃつまらん」と思ったんです。
で、カトキ版バーザム、またはバージムを作ろうと思ったんですが、自分の工作力と、当時の忙しさにかまけているうちに、GFFシリーズでバーザム発売の一報が。
とたんに、バーザム熱は冷めてしまいました。
そんな中、地元で有名な老舗のプラモ屋さんで、コレを見つけたんです。
B-CLUB製ガレージキットの武者ガンダム!
このキットを見つけたときは、思わず棚を凝視してしまいました。
それというのも、コレは幼い時に憧れつつも、「謎の武者ガンダム」だったからなんです。
この本、今も我が家の本棚に陳列していますが、父に買ってもらった思い出の本なんです。
わたしは、この本を何度も何度も読みました。
破れたりしないよう丁寧に。今も、付属のシールは当時のままです。
で、この手の本にありがちな「読者プレゼント」のページに、このガレージキット版武者ガンダムが。
別記事には、B-CLUB東京渋谷店の紹介とともに、やはりこの武者ガンダムの写真が掲載されていました。
幼いわたしには、この武者ガンダムが謎で仕方ありませんでした。
だって、武者ガンダムといえば、狂四郎のリアル等身と、SD版のハズ。
この黒武者は、リアル等身だけど、伊達政宗みたいな前立てをしていて、自分の知る どの武者ガンダムでもなかったからです。
その正体を知ったのは、実はわりと最近です。
それはこのB-CLUB製武者ガンダムを製作された原型師、あの速水仁司さんのTwitterにすべてが書かれていました。
速水さんによると、この武者ガンダムは、コミックボンボン1986年6月号で ZZガンダムの登場を 狂四郎のプラモ軍団でお祝いする グラビア特集に掲載されたものだそうです。
Twitterの内容を引用しますが、当時の小学生でも改造できる内容を、と依頼をされたんだとか。
あとは掲載号の発売時期も端午の節句にちなんだり。
なるほど、スッキリです。
さて、このガレージキット版、というか速水版武者ガンダム。
当時のガレージキットは貴重すぎましたし、せっかくHGUCでマークⅡが発売されましたから、この武者ガンダム仕立てにしようと決めたわけです。
マニアックすぎて、ほかにマネする変な人はいない と思ったんですねえ。
ハンドパーツはWAVEの市販パーツ。
このハンドパーツ。保持力がないのが欠点なんですが、2mmのネオジム磁石を仕込んでみました。
手のひらと、刀の柄の部分ですね。
で、ごらんのとおり、ガッチリOK。
手のひらを広げても離れません。
全体の塗装は、原型と同じ黒にしようか、それともメジャーな武者ガンダムらしく 赤備えにしようか さんざん迷いました。
で、マーブル。
当時はスプレーを使える環境だったので、黒地に赤いラッカー系スプレーを さっとかけてみました。
燃えるような感じになって、割と気に入っています。
そして、この大袖(肩アーマー)には花模様を!
サクラではなく、梅をイメージ。100均で購入した、ネイルアート用のラメも散らしてあります。
なんで梅かというと、かつての わたしの実家には、玄関前に立派な梅の木があって、毎年かわいらしい花を満開に咲かせていたからです。
サクラでもいいんですが、なんだか遠山の金さんになってしまうなあ、と思って。
兜の吹返(ふきかえし)には、俵屋宗達の風神雷神図を 縮小プリントアウトして貼りつけました。
でも、過度な縮小でドット絵になってしまい、もはや何の図画かわからんですね。
元のガレージキットのポーズ。
草摺(くさずり。フロントアーマー)はプラ板で作り、本体とスプリング固定しています。
こうして見ますと、可動化してプレイバリューが高まるのはいいんですが、非可動性モデルならではの良さ、すなわち、ひとつのポーズに特化した迫力が失われますね。
この武者ガンダムなら、腰のひねりと肩の入れ具合でしょうか。
もっとこう、ググッとリキを込めたポーズだからこそ、幼少期のわたしの心に突き刺さったんでしょうね、
さて、この記事を見ている方で、神戸市の実物大鉄人28号をご覧になった方、おられますか?
あの実物大鉄人の原型を作られた方こそ、速水さんです。
ぐっと腰が入り、迫力のあるポージングは速水造形の真骨頂ですね。カンタムロボですらカッコよく製作されちゃう。。。さすがマンガ・狂四郎にも登場された方です。
どうでもいいことですが、みなさんは、鞘の先端の向きは 上向きと下向きの どちらにしますか?
初期BB戦士は上向きですよね。
つまり、刀の刃側が地面を向き、反り側が天を向きます。反り側とは峰打ちする側のことですね。
でも、烈火武者とか、最近のレジェンド版武者ガンダムは その逆の下向きです。
これにはワケがあります(たぶん)。
平安時代から室町時代の刀は、デカい「太刀(たち)」。
戦国時代は、もうちょっと小ぶりの「打刀(うちがたな)」。
で、打刀の場合は、鞘の先端の向きが下向きになるんです。ネットと本で得た知識にすぎませんが。
武者ガンダムが源平時代の武者ならば、「太刀」でしょうから 鞘の先端は上向きになりますが、武者ガンダムの物語は「SD戦国伝」を称するくらいですから、戦国時代に合わせるべきなのです。
だからこそ、後年に設定を再考察したレジェンド版では、「打刀」に準ずる帯刀方式にしたんでしょう。
もっとも、武者精太は那須与一にちなんだ 弓矢のエピソードがあるほか、彼の鎧は どう見ても源氏七領ですから、武者精太の場合は平安末期のスタイルであるべき、つまり「太刀」に準じた帯刀方式が 似合うと思います。
と、そんなこんなで、十年以上放置されていた作りかけプラモが、ようやく完成。
なんとなく、心のどこかにあったくすぶりの一つが 鎮火された気がしました。
でも、この長い年月の間に、マークⅡもザクⅡも、新HGUCとしてリバイブしてしまいました。
造りかけは食べかけと同じ。
改造作例は、一気に作りあげるべきですねw